改正貸金業法が施行-多重債務者問題に本腰-業界、自主規制を強化/フジサンケイ・ビジネスアイ(12月20日)
中小に淘汰の波
複数業者から借り入れる多重債務者問題の解決を図るため、改正貸金業法が19日に本格施行されたことを受け、自主規制団体が同日発足し、過剰融資防止に向けた業界自身の取り組みも始まった。総量規制や上限金利の引き下げで顧客にとっては借り入れが厳しくなる一方、経営悪化に伴い消費者金融や信販会社の再編も加速しそうだ。
「業界の自主規制機関として、多重債務者発生の未然防止などに真摯に取り組んでいく」
消費者金融や信販会社など4063社が加盟し、この日発足した「日本貸金業協会」の会長に就任した小杉俊二氏(プロミス元専務)は記者会見で、多重債務者問題の解決に意欲をみせた。
同協会が打ち出した自主規制の柱の一つは、過剰融資を防ぐため毎月の返済総額を借り手の月収の3分の1、あるいは年収の36分の1以内に抑える総量規制だ。
協会は定期的に会員を監査し自主規制に従わなければ、過怠金や除名などの厳しい処分を課す場合もある。毎月一定額を返済するリボルビング払いに関しては、融資額50万円以上の契約を結ぶ場合、借り手から源泉徴収票など年収を証明する書類の提出を求める。
また、リボ払いの返済期間が長引くのを防ぐため、融資額が30万円以下なら返済期間は原則3年以内、30万円超なら同5年以内とする自主規制ルールも導入する。
除名も辞さず
このほか、テレビCMは午前7〜9時、午後5〜10時の時間帯については放映ができなくなる。駅前などに乱立していた色鮮やかな屋外看板についても午前0時以降の点灯が禁止される。
2006年12月に成立した改正貸金業法は、法令違反への罰則強化を今年1月に先行して実施。第2段階となる今回の規制強化では、しつこい取り立てを深夜や早朝だけでなく日中も禁止。金融庁は登録取り消しや業務停止命令に加え業務改善命令も出せるようになり処分の幅が広がった。
さらに、10年6月までに貸付総額を年収の3分の1までとする総量規制や、出資法の上限金利(年29・2%)を20%に引き下げることが決まっている。
≪市場縮小は不可避≫
大手消費者金融は顧客を囲い込むため、前倒しで上限金利を引き下げている。プロミスが19日から上限金利を年17・8%に引き下げ、武富士も来年1月から18%に引き下げることを決めるなど、大手4社がそろって法律の施行を先取りする。
ただ、上限金利の引き下げなどで、各社は審査基準を厳格化している。このため新規申込者のうち実際に契約した人の割合である成約率は、大手消費者金融で4割程度に止まる。上限金利引き下げ後はさらに「3割程度にまで低下する」(大手消費者金融幹部)ことが予測され、借りたくても借りられない人が増加する見通しだ。
もっとも、業者にとっても経営環境は厳しさを増す。審査の厳格化や総量規制で市場規模の縮小は避けられない。大手銀行が相次ぎ無担保ローン事業に参入するなど競争も激化しており、中小業者を中心に淘汰の波が押し寄せそうだ。
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