<過払い返還請求>取引終了が時効の起算点・最高裁初判断/毎日新聞(1月22日)
利息制限法の上限を超える金利で消費者金融から借り入れと返済を繰り返して発生した過払い金を巡り、借り手側がいつまでさかのぼって返還請求できるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(泉徳治裁判長)は22日、「一連の貸借取引が終了して10年以内は請求できる」との初判断を示した。借り手側に有利な判断で、消費者金融や信販会社の利用者に影響を与えそうだ。
原告は、東京都内の男性(56)で、東日本信販(東京)と82年から貸し借りを続けた。民法は返還請求権を行使できなくなる時効を10年と定める。時効の起算点について、同信販側は「個別の返済で過払いが発生した時」として、96年10月以前の過払い分については、時効が成立していると主張。一方、男性は、最終的に取引が終了した05年3月が時効の起算点と反論。07年に提訴したため、一連の取引の過払い分全額など319万円の返還を求めた。
小法廷は「限度額内で継続的に借り入れと返済を行うことが一般的な消費者金融との取引では、過払い金発生のたびに返還請求することは想定していない。一連の取引が終了した時点から時効は進行する」と結論付けた。その上で、一部の請求権が時効で消滅し返還額は150万円と主張した同社の上告を棄却し、原告請求通りの支払いを命じた1、2審判決が確定した。
◇解説…借り手保護の流れに沿う
多重債務者の急増が社会問題化する中、最高裁は過払い金返還訴訟で借り手側保護につながる判断を相次いで示してきた。22日の判決も、その流れに沿ったものと言える。
最高裁は04年、利息制限法の上限(年15〜20%)と出資法の上限(年29.2%)の間の「グレーゾーン金利」による貸し付けを認める要件を厳しく限定する判断を示した。その後も貸金業者に取引履歴の開示義務を認める判決などを出した。今回争われた「返還請求の時効の起算点」は地・高裁レベルで判断が分かれ、最後に残った大きな争点だった。
今回の判決は、借り入れ形態が異なる商工ローンなどには適用されないが、原告代理人は「高金利に苦しみながら、長期間返済を続けてきた借り手救済の道を大きく開いた」と評価した。
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